マリア・モンテッソーリ
モンテッソーリ教育とは、1900年代にマリア・モンテッソーリが考案した教育法です。
彼女はこの教育法を確率する時に『子どもを観察する』という客観的な方法から出発しました。
子どもとの関わりの中からの最大の発見は、子どもには自分で自分を成長させていく『自己開発力』や『自己教育力』というものが存在するという事実です。
ともすると私たち大人は『まだ子どもだから』と見下ろして、最初から『できない』という前提で子どもに手をだし過ぎたり、教え込んだり、枠にはめようとしたりしがちです。幼児期の子どもに必要なのは知識を早い時期に教え込まれることでもなければ、管理されていい子になる事でもありません。
子どもが持って生まれた『自己開発力』という力が存分に発揮される場と出会い、そこで自己を確率していくことです。
子どもは声に出しては言いませんが、『もっと自由にさせてよ。もっと任せてよ』と思っています。
そういう自由が尊重され、『一人の子どもが自分のやりたいものを選んで、一生懸命関わっていく』という子どもが主体になった場がモンテッソーリ教育の現場です。
(松浦公紀著『幼児の力』より抜粋)
モンテッソーリの5つの教育
1.日常生活の練習
日常生活の練習は子どもが自分の体がは歩く、座る、立つ、物を運ぶ、置く、折る、貼る、縫う、切るといった動き を身につけていきます。こどもたちは様々な教具を通して、色々な動きを身に着け、『自立』にまい進していきます。(松浦公輝 幼児の力より)
2.感覚教育
モンテッソーリは『私の教育は知性の教育です』と述べています。知性の出発点は同じものがわかるという『同一性の理解』から始まります。同時に『おなじ』は『比べる』『違う』という比較の要素も出てきます。比べて『これとこれは同じ』『これとこれは違う』ということがわかります。同一性や比較ができるようになると、仲間分け、つまり分類もできるようになります。モンテッソーリ教育では知性の土台となる同じものを見つけたり、比べたり、分類したりという活動を感覚教具の中にもりこみました。この感覚教具に触れ合うことによって、子どもの知性はいろいろな方向へと伸びてゆくのです。(松浦公輝 幼児のちからより)
3.算数教育
モンテッソーリの算数教育で非常に重要視しているのが『数字』『数量』『数詞』の三者関係の一致です。
3という数字、その具体物が数量、『サン』と唱えるのが数詞です。何より大切なのは出発点としての『量の経験』です。しかも、その量は写真や絵で描かれたリンゴを数えたりというのではなく、実際に手をとってその量感を実感できるものではなくてはなりません。つまり、直接体験できるものです。モンテッソーリの算数教具は、具体的な量が教具になったもので、子どもに数を実感させることの出来るものです。(松浦公輝 幼児の力より)
4.言語教育
三歳頃から文字に対する興味を示す『文字の敏感期』です。自分の名前の中にある字を町中の看板の中から探し出したり、絵本の中から見つけたりするのが嬉しい時期です。まだ、形にはなっていませんが、自分の名前を書こうとしたりもします。こういう時期に、その興味に対する、言語教育の環境がひつようになります。そこでは子どもが字を覚えさせられるのではなく、『自分で書けるようになりたい』『読めるようになりたい』という意欲が源となった、自己活動の場が展開されていきます。文字を獲得することによって、何よりも、子どもの自信につながります。また、文字を媒介にして、これまでの数倍、数十倍の量の新しい知識吸収してゆくことができ、活動の幅が広がります。(松浦公輝 幼児の力より抜粋)
5.文化教育
文化教育とは、子どもたちが生活する最も広い範囲である宇宙に存在する様々な事柄をあるがままの形で伝えていこうとする壮大なスケールを持った領域です。この分野に含まれる活動は、太陽系の惑星や地球の構造、世界の大陸や国の紹介、国旗や民族衣装、動物や植物の分類など数多くのものがあります。モンテッソーリはこの文化教育を最終的には『平和教育』につなげていくために確立しました。国際社会に生きる子どもたちが『違い』を受け入れ、グローバルな視点をもつ姿勢が育ってほしいものです。(松浦公輝 幼児の力より)
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